芦屋のイタリア料理とイタリアワインのお店

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2013年8月

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夏の料理 いくつかの新作 そして有難い事に絶好調

夏ですよ。
嫌になるくらい暑いですが、それでも夏は夏。
 
テンション上げていきましょう!
 
最近すごーく嬉しい事と、残念な事が同時に続いています。
 
お風呂みたいに混ぜたらぬるくなって丁度いいのでしょうが、僕は敢えて混ぜません。
困難には立ち向かう。嬉しい事には酔いしれる。
 
そんなこんなで、絶好調の日々です。
 
丸焼き、塊熱はヒートアップしてますが、更にその先を考えてます。
今の当面のテーマは、お一人様。
なんでも塊で焼いてたらお一人様のお客様、頼めるもの無いやん。。。
 
結構たくさんいらっしゃるんです。お一人様。
 
 
その件込みで昨日、すっごい良い事思いついたので、少しづつ形にしていきます。
ワクワクしますよ、我ながら!!!
 
長かった人手不足も徐々にですが解消されてきました。
大変やった!!!
 
特に今当店の二番手の黒ちゃんは、大変やったと思います。
でも、すごい成長しました。
 
結果オーライです。
 
ところで、夏野菜ってすごいですね。
年々野菜が好きになってますが、しし唐やパプリカの香りって、この食欲の落ちる時にも胃を刺激します。
結構嫌いな方もいらっしゃいいますが、毛嫌いしないでお試しください。
 
ちょっと料理の写真が貯まったので、最近の料理といくつか新作もあります。ご覧ください!!!
 
 
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南イタリアって秋が短いんですね。。
春野菜、夏野菜、冬野菜どれも非常に豊富ですが、秋野菜って言わないなー。
でも、日本もそうですね。秋の味覚って海のもの、山のものひとくくりで言うなー?!
 
これが歳のせいなのか、はたまたあまりの野菜のクオリティーの高さ故か、ここ数年の僕の野菜好きには目を見張ります。
南イタリア料理はホントに野菜料理が豊富です。面白い比喩が、世界で一番ベジタリアンが太る地域。
 
野菜料理と言っても、味気ない食べてて悲しくなるような品は1品もありません。
見た目は地味でも、食べるとイタリアの豊かさが目に浮かびます。
 
野菜は、単体で主役にもなりますし、また単体で立派なパスタソースにもなります。
更に、肉や魚に添えるとそれぞれの主菜の更に良いところを表現してくれます。
 
今まではコントルノミスト(付け合せの野菜の盛り合わせ)的な事を良くしましたが、最近は付け合せも1種に絞る面白さにも目覚めています。
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アオリイカの新子(稚魚)と夏野菜のグリル 卵とイカ墨のソース
 
これ、非常に評判の良い料理です。簡単にいうと、グリルした野菜と、ホントにさっとグリルしたアオリイカの新子を合わせ、ちょっとエッチな香りのするイカ墨のソースを添えるのですが、間にゆるーい
スクランブルエッグを挟んでいます。これがイカと夏野菜とイカ墨ソースの初対面的なよそよそしさを解決し、サブの食材のくせにかなりの存在感をアピールする、今年の助演男優賞受賞者です。
 
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スルメイカで作ったラグーボロネーゼのパッケリ
 
タコとイカに人生を捧げ、日々イカタコまみれですが、なかでもスルメイカに無限の可能性を感じます。
 
スルメイカは基本的に生で食べません。アニサキスって寄生虫のせいです。ホタルイカやサバなんかにもいますが強敵です。
加熱すれば全く問題ございません。
しかしその恩恵もあります。
イカの中では安い!
日本の魚は刺身での味で値段が決まる節があります。
生で食べないから安い。
勿論漁獲高が多いのもありますけどね。
 
でもって加熱する訳ですが、生食の最強がアオリイカです。しかしアオリイカ煮込んでも全然美味しくありません。さっとグリルとかボイル位。
しかしスルメイカは違います。凄まじい出しが出ます。
あまりにも凄い出汁なので、他の魚介とは一緒に煮込めません。
すごくケンカします。
大方ケンカにならない位スルメイカが勝つのですが、スルメイカの良さが濁るのでタブーです。
 
しかーし、野菜とは相性抜群。あと、油脂分との相性もいいですね。
旨さが肉に近いと言いますか。
 
という事でスルメイカをミンチにして、スルメイカでラグーボロネーセしてみました。
激ウマ。
このしょぼい写真は乗せたくない位。
のけぞりますよ。
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詰め物をした旬のムール貝 フレッシュなヤギのチーズ風味 ズッキーニのピュレとガットーディパターテ添え
 
この夏の新作のなかでも、お気に入りの一品&オーダー通ると超大変な料理。
ジラソーレの料理って見た目地味なんですけと、メンドクサイ仕事満載。
上のスルメイカのラグーも鍋3つ使って最後合体、更にオーダーごとに。。。。てな具合です。
 
よく、何故頑なにオーダーはテーブル単位なのと質問されますが、今の料理をするなら無理なだけで、例えばテーブル4人がそれぞれ別々の
ものをチョイスしてそれが同時に出るのが一番大事ならそのシステム自体は可能です。今と同じ料理はできませんが。
そして、4品中2品僕が作ればいい方です。後の2品はスタッフが作ることになります。
どちらが贅沢かはお客様の価値観ですね。今は全品僕が作っています。
 
こちらは、オーダーごとにムール貝を牡蛎を開けるように生で剥いて、ムール貝に若いペコリーノチーズを詰めます。
ムール貝から出た汁とトマトでソースのベースを作りそこでムールに火を入れます。
 
お皿にズッキーニのピュレを盛り、これまたオーダー毎に焼き上げるガットーディパターテ(裏ごしたジャガイモにサラミ、パルミジャーノ、モッツァレラ等を混ぜ込んでオーヴンで焼いたもの)
を乗せ、ムール貝を盛りそのソースにヤギのチーズを溶かし込み。。。。
 
書くと長いですね。手間かけた分美味しいです。手間かかってるけど、最終的にはシンプルなんですよ。
ナポリのサルトリア(仕立て屋)と同じ。手仕事。機能的。そして他では満足できなくなる。
そんな仕事に憧れます。
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超シンプルかつ夏のアイドル?ナポリ風トリッパと豚足のサラダ。
 
この前これ注文した常連さんが、サラダって葉っぱ全く入ってないやんと苦笑いしてました。
 
西洋料理的には、サラダは必ずしも葉野菜ではありません。野菜ですらない事もあります。
 
そんな事は大した問題ではありませんので、さっと流しておきましょう。
 
当たり前ですが、内臓系お好きな方から絶大に愛される一品です。
内臓系≒こってりというイメージを完全に裏切る料理。
 
超シンプル。味もホントにクリーンでクリア。体が綺麗になる気がします。
しかし。。。
 
最もうんざりする仕込ワースト3に必ず入る料理です。
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生の国産トリッパ。
未掃除
未漂白
 
一般的に流通してるトリッパは大体冷凍の輸入もので、業者の方で漂白済です。
どんな薬品で漂白するかは知りませんが、漂白します。砂糖やマイケル.Jもそうですね。
 
この写真では分かりにくいですが、自然な生のトリッパは真っ黒です。おっさんが履く、濃いグレーの靴下みたいな色です。
左が掃除した後、右が掃除前。
この写真は光の加減か、右側も色白に写っていますが実際は絶望的に真っ黒です。
 
では、どないして掃除するか???
簡単です。
下茹で後、たわし、歯ブラシ、ヘアブラシ、デッキブラシ、アメフラシ、ありとあらゆるものを使って擦り取る。
以上。異常と書いた方がいい位面倒です。
これは僕の仕事。こんなん、従業員にさせたら一発で辞めますから。
 
いかにも楽しそーに、時には鼻歌交じりでやります。
そうするとたまに、馬鹿な奴が、シェフ、それ教えて頂けませんかと来ます。
魚釣れた時と同じ喜びですね。
と、同時に僕のドSスイッチがオンになります。
 
「良いけど、難しいで?洗い方で味が決まるようなもんやからな!大丈夫か?まあ、どうしてもやってみたかったら
やったら良いけど、1つだけ条件がある。途中で絶対に俺に代わってくれと言わない、且つ今後永久にお前の仕事やけど、やってみるか?」
 
「ハイ、シェフ!ありがとうございます!!!」
 
最近こんなバカ(良い奴)がめっきり減りました。
 
腱鞘炎になりながら、まだ僕が洗ってます。
 
もうすぐ黒ちゃん釣れそうですけど。。。
 
従業員はHP見たらあかんというルールを作らないと。
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渡り蟹とフレッシュポルチーニのフリッタティーナ
 
ナポリ料理の魅力の一つに、食文化の幅という観点が挙げられます。
 
昔はナポリ王国、両シチリア王国といった王国でしたから、宮廷料理も発達してますし、超庶民料理もピッツァ、パスタを筆頭に世界中の人々を魅了しています。
昔だったら、貴族は貴族的な食事しかしませんし、庶民は今日もコロッケー明日もコロッケー♪の様に、パスタ、ピッツァに明け暮れてた訳です。
 
この料理はフリッタティーナと言ってナポリのストリートフードが原型です。
タコ焼き位のポジションですかね。
 
簡単に言うとパスタのフリット。ベシャメルソースで和えたパスタを揚げてます。
 
この超庶民的な食べ物をよそ行きにオメカシしました♡
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淡路 由良の赤ウニと卵黄と自家製カラスミのスパゲット
 
夏のジラソーレの看板パスタ。
またの名をプリン体のスパゲット。
 
ああ、プリン体。
なんと魅力的で退廃的なんでしょう。
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こんなさわやかな料理もあります。
 
明石の昼網のさわらのタルタル 冷たいトマトのスープ仕立て。
 
鉄板です。
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至る所に卵をほり込んできます。
 
マナカツオの卵包み焼き
 
ジラソーレのスペシャリテの一つにウサギの卵包み焼きというのがあります。
もとは、このマナガツオで始めました。
 
マナガツオは非常に美味しい魚ですが、火入れのレンジが狭い。
ドンぴしゃに焼くとものすごーくふわっと焼けます。
 
そのフワっとしたのを強調するための卵。隠すためでなく、強調するためです。
だから、一番大切なのは卵の状態。魚の延長線上にあるように。。。
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ジャージー牛乳って聞いた事あります?
そのジャージー牛の乳のみ仔牛です。
 
実際は乳を飲む間もなくドナドナされてます。
乳牛なんで、メスは育てて乳牛となりますが、オスはほとんど殺処分だったそう。
 
で、元々の元々は肉牛の品種らしく、こんな生まれたてでも、ちゃんと肉があります。
 
それならと売り出したら、今レストラン業界では話題の食材の一つです。
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素晴らしい鮮度の内臓も付いて来ます。

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この仔牛がもつ、乳の香りを強調すべく、牛乳(ジャージー牛乳使用)とオリーヴオイルで作ったマリネ液に漬けながら炭火焼。
肉と炭の香りが移った牛乳ベースのマリネ液でソースを作ります。
 
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仔牛と言えばカツレツという事で、ゴルゴンゾーラチーズ挟んでカツレツ。
 
レモンの皮と仔牛の出汁のソース
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珍しくデザートの紹介
 
詰め物をしたイチジクのフリット 赤ワインのジェラート添え
 
ジラソーレのデザートの中で、個人的に1番好きです。
 
生で食べる以上にイチジクらしさを表現できてると思います。
 
あと、温かいデザートってレストランだけのものでしょ?
 
イチジクのフリットと赤ワインのジェラートは一緒に食べなきゃダメです。
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これも新作
 
ピスタッチオのジェラートとマラスキーノ風味のバナナ、エスプレッソのジェラティーナとグラニータ
 
こってりとした、茶色系の味わいの物ばかりで、南国的な爽やかさを表現してみました。
 
大成功。ポイントは酔っぱらうくらいのマラスキーノ。
マラスキーノの香り大好きです。

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