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芦屋のイタリア料理店

tel 0797-35-0847 open AM11:30~PM2:00 PM6:00~PM9:00 (L.O)

2012年3月

ランチのシステムが変わりました

年始から予告しておりました通り、ランチのシステムを変えました。
 
僕的には、かなりしたかった事に近づけたんじゃないかと思っています。
 
2年前にランチのコンセプトを、トラットリアとしました。
かなり、漠然としたこのコンセプトをどう具体化して行くべきか?
正直未だ手探りの状態です。
 
日本におけるトラットリアのイメージは残念ながら歪んで来ています。
 
トラットリアと言うと、リーズナブルでお客さん本位に気軽に食べれるイタリア料理店というイメージが強いですが、
本来イタリア料理のカテゴリーでは、一番ディープで奥が深い、時にマニアックなカテゴリーであるはずなんです。
 
リストランテとレストランは言葉が似ているから同じ意味で、トラットリアはそれよりお手頃なカテゴリーと勘違いされてるかも知れませんが、
トラットリアに当たる適切な日本語が無いだけで、トラットリアも立派なレストランです。
 
逆にイタリアでリストランテと付く店に入っても、99%は泡アワな料理やごく少量で何品も出てくるという事はありません。
 
僕が思うにリストランテとトラットリアの一番の違いは、働いている人が制服を着てるかどーか、ナイフフォークの持つとこが、プラスチックか金属かですかね?
 
まあ、はっきり言って、僕にとってはあんまり大事ではありません。
 
昔は躍起になってガイドブック見ながら
点数や評価の高いレストランばかり食べに行っていました。
今もたまには行きますけど、あまり心躍る事は少ないかなー?
 
一方トラットリア、オステリアと呼ばれるカテゴリーは、実は時々目が出るほど高級店な事もありますが、基本的に地元のイタリア人がガイドブックなんぞ見ずに行きます。
残念ながら、古き良きイタリアでは、初めて入った地元のトラットリアで最高の食事ができる確率はあまり高くないです。
 
イタリアにはラッコマンダツィオーネというシステムがあります。
簡単に説明すると、イタリア人は基本的に、家族、親戚、親友、友達、知り合い、近所の人、知らない人、嫌いな人の順でどんな所でも区別します。
評判のレストランに行きたいけど、その店に知り合いが全くいない。このまま行ってもごく平均的なもてなししか受けられません。
そこでラッコマンダツィオーネの登場です。たまたま友人がそのレストランのオーナーの友達だとすると、その友人に予約を頼んだり、そこまでしなくても店に着いてすぐオーナーの所に挨拶に行って、自分は貴方の友達の誰々と仲良くて彼に勧められてきましたと挨拶します。
 
ホンマにゴッドファーザーの世界です。この一言で肉の硬い部分が出てくる事はありません。
就職なんか殆どコネと縁故で決まりますからね。
 
もし、全くコネが無く、でも地元民が集まるトラットリアで少しでも良い扱いを受けるにはどうするか?
まずケチらない。
嫌いな食材じゃない限りお薦めに従う。
料理、サーヴィスを褒めちぎる。
 
変わったとこでしょ?
理解できない方も多いと思います。
イタリアはお客さんも強いですが、基本、店はもっと強いです。
でも、僕も含めイタリアに心を奪われている人たちは、このハードルを越えた人たちです。
気が付けば、その店のシェフの家に夕食に招待されている。
そんな国なんです。
これを的確に表す格言が、tratta bene chi non paga
お金払わない人を一番もてなすように。
 
ジラソーレにお越し頂くのに、ラッコマンダツィオーネは全く必要ありません。普通にご予約頂ければ十分です。
その際、食べれない物や、苦手な食材、逆にお料理のリクエストなんかもあれば是非、ご予約時にお申し付けください。
皆様昔からのお客様だと思い、出来る限りの事を致します。(当日のお電話ですと、仕入れ、仕込みが終わっておりますので、ご要望が複雑な場合は前日までにご相談下さい。)
 
新しいランチの目玉は3800円のコースです。
3800円でイタリアにお連れいたします。をテーマにちょっとした食の旅のご提案です。
 
僕に店舗展開する甲斐性はありませんが、これで昼と夜2軒の店ができる気分です。
様子を見ながら更にエンジンの回転数を上げていきます。
よろしくお願いしますね!
 
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昼にやりたいのって、こんなんとか

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こんなん。
 
えー、こんなんイタリアン違う―という方もいるでしょう。
これはイタリアンではありません。
イタリア料理です。
 
pasta e patate con la provola
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店内は自慢のヴィエトリの皿を散りばめて、皆様をお待ちしています。

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カウンターだって同じように。
 
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3800円のコースは内容、品数共にお値段以上に充実させています。

その分、お客様の方でお取り分けをお願いしてます。
ヴィエトリのお皿をそのまま前菜の取り皿としてお使い頂きます。
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イタリア産エンドウ豆とパスタの煮込み ナポリの春の風物詩
 
豆嫌いな方、直して差し上げます。
これダメなら、醤油も味噌もダメでしょ。
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これはペスカトーラ。偉大なるクラッシック。
後は、この時期イカスミとか、カルボナーラとかプッタネスカとか順次して行きます。
大体パスタ系2種類出します。
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地鶏のロースト 写真で2人前。
後、子羊使ったり極み豚塊で焼いたり、ミックスグリルしたり色々やって行きます。
お楽しみに!
 
2800円
4800円
のコースもそれぞれ掘り下げて行きます。TPOに合わせてお使い下さいませ。

春が来たー!

未だ寒い日が続いていますが、春は確実に来ています。

10代、20代の時って、季節の移り変わりに対してもっと鈍感でした。
着たい服の為には寒いのを我慢したり、真夏の暑い日でも素麺なんか晩飯になるかーいと思っていましたし(それは今でも思っていますが)。

しかし、20年もコックをやっていると、まあまあ敏感になります。
まず、毎日パンを焼いていると、湿度、温度ともに顕著に生地に現れます。特に湿度ですね。
季節の移り変わりごとに、数日パンが上手い事焼けない日がありました。
ココ2-3年は完全にコツをつかみ、大体どんなコンディションでもなんとか良い結果に持っていけています。

あと、同じ生産者から食材を買い続けるのも、季節の移り変わりを敏感に感じる訓練になりました。
先ず野菜。
冬の青菜系、キャベツ等秋くらいから使い出して急に味が変わる時があります。本格的に寒くなった時です。
思いっきり冷気に触れることで、野菜が自ら凍らないように糖度を上げます。
それと同時に、ゆで時間、加熱時間がぐっと短くなります。
これは、日本の野菜、イタリアの野菜という問題でなく環境の問題です。

イタリアでもちょっと時期が外れてるのは、全然火が入りません。
また、イタリア野菜は日本の野菜より力強く、野性的で硬いからガンガン茹でなダメというのも間違いです。

小松菜を例に例えると、茎が太いのと細いの、太い方が茹でるのに時間が掛りそうですが、実は逆で細い方が繊維質で時間が掛ります。
早く火が入るから良いという訳では無いですが、ゆで時間が短いという事は加熱で壊れるビタミンの量も、水溶性ビタミンの流出も最小に抑えれれますし、味的にも苦みと甘みと香りのバランスもTHE小松菜って感じです。

魚介類も顕著に季節を教えてくれます。特に冬から春への移り変わりは、市場も急に楽しくなります。
魚は、冬に子を持つもの以外、冬に脂が乗るものが多いです。しかし、海が時化てる事が多いのと、日本海側は蟹ばっかり取りに行くようになって、案外兵庫県の魚の選択肢は減っちゃいます。
余談ですが、このイカナゴの時期もイカナゴ漁が盛んになる分、漁師の数は一緒なので他の魚はちょっと減ります。

あと、タコ。ジラソーレは年間800匹以上のタコを使います。1000を超える年もあるかも知れません。
このペースで10年間、淡路、明石産のタコを使い続けて、タコの生命サイクルを完全に掴みました。
自慢じゃないですが、生の状態で柔らかくなるタコ、あんまりならないタコ、最高に旨い奴が分かるようになりました。
残念な事に、生きてる段階では見抜けにくい!〆た後100%分かります。

仕入れの段階で100%の選別はできませんが、タコごとの個体の状態を把握できるので料理法を変えます。
そんな工夫の中、基本的に真冬はあまりタコはよろしくありません。
タコには脂が乗りません。
どんな良いタコを茹でても、表面に脂は浮きません。
でも、タコにも旬があります。
ジラソーレには、何らかのタコ料理があります。
タコが抜群の時は、茹でたてをブツ切りにしてレモンとオリーヴオイルで召し上がって頂きます。
初めて召し上がる方は、ほぼ100%、なんじゃこりゃーと松田勇作並みのリアクションをして下さいます。

とにかくタコは寒いの苦手みたいですね。活性が落ちると言いますか。
昔、大寒波で瀬戸内のタコは一回絶滅しかけたらしいです。
アフリカからタコを大量に輸入して、危機を乗り越えたとか。食用じゃないですよ。放流したんです。
結構こんな話あります。
ヨーロッパのブドウの木の下半身はアメリカのブドウの木が殆どとか、世界中の牡蠣かアサリか忘れましたが元の稚貝は日本産でそっから増えたとか。

何度か色んな危機を世界規模で知恵を振り絞って解決してきています。
原発問題も世界規模でまさに今、話し合うべきなんじゃないでしょうか。
この夏までに、原発が1基でも再開すると又原発頼りになるでしょうね。

綺麗に脱線しました。
とにかくジラソーレ流 春の定義
アサリなどの2枚貝の実が充実し出し、タコが良くなりかけると寒さのピークは終わる。
イカナゴが始まると春。
アスパラは真っ盛り。
そら豆は初夏。
僕の人生には春は来たのだろうか?

 

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イカナゴです。瀬戸内以外あまりやいやい言わないみたいです。
この時期この辺のスーパーは、氷砂糖、保存容器と一緒にイカナゴを売ります。
各家庭で釘煮を作ります。
釘煮は甘いので僕はあまり食べません。

 

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釘煮は食べませんが、これは毎日食べます。
イカナゴで作ったロサマリーナ。
ロサマリーナはカラブリア州の特産物で、シラスの唐辛子漬です。
簡単にいうと、豆板醤にシラスが使ってる感じ。
 
当店では、そこまで唐辛子を効かせません。
保存が目的で無いので。

 

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イカナゴのロサマリーナのブルスケッタ。
こんな簡単な物ですが、毎年沢山のお電話を頂きます。
イカナゴはじまったー???って。
 
皆さん始まっていますよー!
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イカナゴと言えば釘煮ですが、鮮度のいい物は釜あげにもします。
そんな乗りで作った訳ではありませんが、スズキのアクアパッツァ イカナゴと菜の花添え。
 
スズキの旬は夏と言われています。
刺身の話です。
夏のスズキは加熱できません。
実が硬すぎます。
 
加熱するなら冬から今くらいがギリギリ。
こいつら、イカナゴを食い倒して、一気に実が充実します。
この時期のスズキは活けで、一晩活け越していないとイカナゴのにおいがします。
 
てなことで、ジビエって食べてるエサでソースを考えたりするように、魚も良くそうします。
そして、びっくりするくらい合います。
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ヨーロッパで良く食べるヒメジ。徳島のです。
米と卵、菜の花オリーヴを詰めて香草パン粉でオーヴン焼。
イカナゴのフリットをたっぷり付けて。

 

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グリンピース嫌いな方。
これ食べてみて下さい。
これ食べて嫌いやったら、僕が貴方は本当にグリンピースが嫌いだと認定書出します。
これが不味いはずがない。
 
イタリア産エンドウ豆とパスタの煮込み ナポリの春の風物詩

 

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春と言えばもう一つ、子羊。
そして春ならではの料理法 カチョエウオーヴァ。チーズと卵って意味です。
 
この子羊の煮込みにチーズととき卵を入れて卵とじみたいにします。
 
これよりナポリ人にとって春っぽい物は無いでしょう。

 

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今年もします。子羊の頭のオーヴン焼。
数に限りがありますので、ご希望に方は事前にお問い合わせください。
本格的にするのはもう少し先かな。