芦屋のイタリア料理とイタリアワインのお店

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2011年11月

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クリスマスと年末のご案内

トップページでもご案内しておりますが、クリスマスと年末の営業のご案内をもう少し詳しく致します。

まず、今年のクリスマスメニューは、コースが2種類です。
毎年クリスマスメニューを色々考えて、手の込んだ事をやってきましたが2年ほど前から、1年中クリスマスメニューか!!!と言う位気合いの入ったメニューを年中してまして、クリスマスの時期だけ更にレベルをグンと上げるのは意味が無くなりました。

そんな理由から、去年は通常通りコース2種とアラカルトで臨み、お客様ごとにテーブル単位ではございますが色々選べるようにしてみました。

クリスマスなのにこんなに自由に食べれるなんて!とゆっくり食事を楽しんで頂いて、喜んで頂く事も多かったのですが、いかんせん時間が掛ります。
多くのカップルの方にとっては、クリスマスというイベント自体が大切で、レストランでの食事はその一部だという事も思い知りました。

通常の営業日以上にお客様がお店に期待している事が違うのですね。
僕の全力投球の料理は、年中どの季節でも味わって頂けます。
なら、クリスマスに来て頂く方には、クリスマスに来て頂く価値をご提供しなければと考え、今年のスタイルを決めました。

メニューナターレ 

・突き出し
・淡路の天然ヒラメとアワビのカルパッチョ
・鱈の白子と鱈と卵の土鍋焼 ラディッキオ添え 白トリュフクリームを忍ばせて
 ・当店名物 潮の香りのパッケリ(ウニ、イカ、サザエ、カラスミ、お嫌いでなければ牡蠣も入ったソース)
・淡路牛の炭火ステーキ グリーンペッパーソース
  または
・山鳩胸肉のソテー 内臓とそれ以外の部位のパイ包み焼 チョコレート入り赤ワインソース
  または
・エゾ鹿の炭火焼き グリル野菜とスカモルツァチーズ添え ンドゥイア入り赤ワインソース
・デザート、カフェ
 7300円
この時期の特選魚介を中心にコースを組み、メインは淡路牛でもジビエでもお好みで召し上がって頂けます。
品数を絞って料理を厳選しております。
お食事のお時間が、あまり長くならない方が良いお客様にお勧めです。


メニューナターレスペシャル
・突き出し
・淡路の天然ヒラメとアワビのカルパッチョ
・鱈と鱈の白子と卵の土鍋焼き ラディッキオ添え 白トリュフクリームを忍ばせて
・キジとキジのポルぺッティーネとナターレのミネストラ ナポリのクリスマスの伝統料理
・当店名物 潮の香りのパッケリ(ウニ、イカ、サザエ、カラスミ、お嫌いでなければ牡蠣も入ったソース)
・イノシシの赤ワイン煮込みのフジッリ チレンターニ(手打ちパスタ)
・淡路牛の炭火ステーキ グリーンペッパーソース
  または
・山鳩胸肉のソテー 内臓とそれ以外の部位のパイ包み焼 チョコレート入り赤ワインソース
  または
・エゾ鹿の炭火焼き グリル野菜とスカモルツァチーズ添え ンドゥイア入り赤ワインソース
・デザート、カフェ
9000円

レストランでの食事が、クリスマスでのメインイベントな方、この時期のスペシャルをお召し上がり頂けます。

コースはどちらかをテーヴル単位でお選びください。
メインはお好きな物をお選び頂きますが、ご予約時にご注文頂きます。

 

12月23日、24日は上記のコースのみの営業となります。
お好きなお時間にご予約下さいませ。

12月25日は、趣向を変えクリスマスパーティー風に営業します。
お料理おまかせで8000円(食前酒付)です。
コースですが、大皿でお持ちして、お客様でお取り分け頂きます。
ナポリのとある家庭に、クリスマスに招かれたような伝統料理あり、ちょっとおしゃれな料理ありな
日頃あまりできないイタリアのパーティー料理を陽気にお出ししたいと思います。
18:00会場の18:30スタートです。
この時間に来れなくても大丈夫です。ご相談下さい。

クリスマス期間中のランチの営業は通常通りですが、ラストオーダーが13:30となります。


年末の29日、30日のラスト2日間もパーティー形式で営業いたします。
基本的に大皿料理で皆様にお取り分け頂きます。

29日はジビエ込の肉、肉、肉な感じで行こうかなと思っています。もちろん魚介もしますが、肉中心です。
8500円
(お日にちは29日の方が良く、でもジビエや肉より魚介中心の方が良い方、ご相談下さい。)

30日は魚介中心でメインは淡路牛でいこうと思っています。
8000円

両日とも18:00会場の18:30スタートです。
お時間が合わない方も大丈夫です。ご相談下さい。

ジャンジャン作ります。デスマッチです。一通りお出ししてまだ足らない方には、イタリア式にアリオ、オリオ、ぺペロンチーノをこれでもかとお出しします。
今年のストレスをジラソーレで吹き飛ばす、暴飲暴食の会です。
お飲み物は、別途ご注文下さい。

初めての試みでどうなるか分かりませんが、すでに結構ご予約頂いています。
うまく行けば毎年恒例化したいなーと思っています。
イベント営業ですので、全員参加精神で貪欲に楽しんで下さい。

食べれないもの、食べたい物のリクエストも下さい。

ご参加お待ちしています。

P.S
暴飲暴食するほどストレスの溜まっていない方、12月に数日間ジラソーレで働いてみますか?
お金は溜まるほどお出しできませんが、ストレスはごっそり溜めて頂けると思いますよ!!!(冗談です)

 

ワインが美味しい季節です。

 んー、秋ですね。ずーと秋の気温で食材だけ変わればいいのにと思います。
でも、夏の暑さの後だから、この気持ちよさが愛おしいのでしょうね。

秋は、収穫の秋です。イタリアでは1年中何らかの収穫祭(サグラ)がありますが、秋のワインの収穫祭は華やかさ、盛り上がりともに別格です。
今まであまりワインの事を書いてこなかったので、今回はワインの話を。

 第何次ワインブームとか言われながら、何度かワイン熱に包まれた日本。
ワインが生き甲斐という方から、レストランに行けば楽しむという方まで様々でしょう。

イタリアは世界有数のワイン産出国であり、消費国です。そして人口の80%位の人は地酒的な地元のワインを飲んでいます。
いえ、むしろ地元のワインしか飲まないと言った方が正しいかもしれません。

 イタリアの酒屋(エノテカ)に行くと、安い物から高級な物まで、見慣れたビン詰めしたボトルワインも沢山売っていますが、ヴィーノ スフーゾと呼ばれる量り売りのワインが人気です。
空のペットボトルとか、空ビンを持っていき、何々を(大体ブドウ品種名)何リットルという風に買います。

はっきり言って、強烈に安いです。よく水より安いと揶揄されますが、それは大げさとしてもコーラと変わらない値段の物もあります。
で、素晴らしいのは日本みたいに、安かろう不味かろうではありません。むしろ雑味の無い綺麗な味の物が殆どです。

量り売りのワインは、何年も熟成出来ません。でもそれでいいのです。人間の介入している要素が非常に少ない、自然の恵み、農作物の延長と実感できるワインです。

それに対してビン詰めされたワインは、熟成という要素を含みます。ワインが他の酒類と一線を画するのはここです。
いくら高級ワインでも、飲み頃でなければ飲み物として何の値打もありません。そして、ワインの熟成期間は比較的話題になりますが、1年を通じての飲み頃、旬を意識なさっているでしょうか?

今日は、美味しいワインの話で無く、ワインを美味しくお出しするお話を中心にしましょうか。
 
ワインは1年の間に2回味が大きく変わります。もちろんちゃんとしたセラーに入れていての話です。
冬の終わりから春にかけてと、夏の終わりから秋にかけてです。この時期に特に熟成が進む訳ではありません。
種を明かすと、人間の味覚が大きく変わります。
当店は、約150種類のワインを扱っています。
そのうち約60%位のワインをケースで買っています。
ワインをケースで買うと、支払いもでかいので本来は避けたい所です。
でも、ワインを美味しく提供するには仕方がないのです、

ワインって、買ってすぐ売れないんです。最低2週間位休ませてから売ります。全然違いますよ。一般的に荒れてると表現したりしますが、例えるなら緑茶を水筒に入れちょっと泡立つくらい振って飲むと確実に味が違います。
多分悪い意味で、妙にマイルドになってそう。。。
ワインも配達の際、悪気は無くても車の中で多少揺れてしまいます。

ケースで買わない40%のワインは結構高額なワインです。そんなにポンポン売れませんので、売れたら発注。最低でも在庫は5-6本ありますので、十分セラーで休ませれるローテーションです。

このワインを休ませる工夫は、その気になれはすぐできます。
次がちょっと難しい。ワインの季節感です。

現在、トマトは1年中スーパーで売られています。
本来の旬はいつでしょう?
なんか、夏野菜の代表みたいな存在ですよね。

でも実際、夏のトマトは美味しくありません。
冬から春まで位のトマトが一番美味しいです。
生食のトマトの話に限定していきますが、このころが1番鮮烈な香りと、トマト本来の美味しい酸味その2つを支える旨味のバランスが素晴らしいです。大切なのは太陽の光で無く、乾季である事らしいです。

白ワインのソーヴィニョン ブランという品種はよくトマトの葉っぱの香りとか、猫のおしっこの香りと表現されますが、この時期のトマトの葉は確かにソーヴィニョンの香りがします。
このソーヴィニョンブランで例えますと、このブドウは非常に香味成分が豊富でして、イタリアのあまり暑い地方では栽培されません。冷やかな香りといいますか凛とした香りです。パイナップルやマンゴーみたいなリッチな南国の香りではありません。
ブドウ品種的に、春が特に美味しそうな気がしませんか?
あと、夏のウリっぽい香りの物、またはそんな香りと相性がいい物とも合いそうな気がします。ウナギ、穴子、キュウリ、鮎、ディル、セロリ、蛸、フェンネル。。。と連想ゲームの様に出てきます。
でも、秋っぽい食材のイメージではないですね。

赤ワインで言いますと、なんじゃらベリーとつくような果実の香り。このフルーティーさは春が一番無くて良い気がします。
むしろ、春は僕はあまり赤ワインに手が伸びなくなってきました。白が美味しすぎます。真夏よりこの時期、色んな白ワインが旬を迎えます。

そして今の時期は、落ち葉やキノコ等茶色いイメージの香りを持つ赤ワインが美味しいですね。秋はあまりフルボディーなワインでなく香りとなめらかさと奥行きで飲みたい。
むしろ、真夏、真冬の方がフルボディーのワインを良く飲みます。
真冬のフルボディーは分かりやすいですが、真夏のフルボディー?と思う方もいらっしゃるかも知れません。
でも、真夏って意外と味の濃い物欲するんですよ。焼肉とかフォアグラとか。
あまり軽い、酸味のある赤ワインを飲むと、この時期は水も良く飲みますのでお腹がタプタプになります。

ここで、気を付けないといけないのがワインの温度。
良く赤ワインは常温でといいますが、16-18度位、つまりヨーロッパの地下のワイン倉庫の常温です。日本の常温ではありません。
18度の飲み物って口に入れるとひんやりしています。決してぬるくはありません。
特に夏は、すぐにワインの温度が上がります。すでにグラスがぬるいですから。
夏場にぬるいフルボディーの赤はしんどいです。

そしてもちろん、真冬にイノシシの煮込みとフルボディーの赤ワイン。これも至福ですね。
では、夏に当店でとあるフルボディーのワインを飲まれて気に入った物を、また真冬にご注文頂いて同じように美味しいかというと美味しい場合もありますし、あれ?こんなんやったっけと思う事もあります。
もちろん不味くは無いですよ。常に美味しい範疇です。
でも、夏に美味しいフルボディーと冬に美味しいフルボディーは別に存在してると思っています。

では、美味しいワインはガイドブックの点数とか、有名だとかインターネットとかで調べれますが、その時期の旬のワインはどうすれば分かるでしょう?
答えは、飲みまくる事です。
うちの店は定期的に色んなワインをドンドン試飲します。
ですので、ケースで買っとかないとすぐに在庫が足らなくなります。

試飲会に行って新しいワインを見るより、自分とこのワインを定期的に試飲する方が大切だと思っています。
ですので、ワインに詳しい方も、当店でワインをお選びの際は、この時期の旬もちょっとお尋ね下さい。

旬のワインを1部ご紹介しましょう。

 

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ソンニョディリヴォルタ(白)
飲む時期で印象が変わる代表みたいなワインです。暑い時期に飲むとちょっとくどくも感じますが、秋以降すごく美味しいです。
華やかでインパクトもあり、でも後抜けの良い綺麗なワイン。洋ナシのイメージです。
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こちらも秋冬に俄然美味しくなるフィアーノ ディ アヴェッリーノ べシャール。
和食の1番だし的な旨味と生姜、オレンジピールなどのオリエンタルな香り。当店の冬の名物スッポンと是非。
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コスタ ダマルフィー フィオールドゥーヴァ。
白ワインですが赤ワインのように飲めます。蟹やアワビ等海のエッセンスが凝縮したものと。

 

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エフェゾ。カラブリアの白です。
ザラッとしたミネラルが美味しいしっかりした白です。これは真夏も美味しいし、冬も美味しいワインです。でも印象は結構変わると思いますけど。
アサリやムール貝みたいな出汁が出る貝や、ブリっコリー的な香りの野菜と合うと思います。
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レ オルトレ(白)。カンパーニア州のシンデレラワインの一つカーサヴェッキアと同じメーカー。
南の高級ワインのイメージ通りなリッチな仕上がり。
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仙人、ヴァレンティーニ。普通のワインではありません。ジビエの為の白と言いきってしまっても良いかもしれません。

 

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トレッビアーノ ダブルッツォ マリナチベティッチ。白は魚介というイメージを覆す山のワイン。魚介とも楽しめますが、俄然山の幸です。

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この山ウズラの料理、左のトレッビアーノも右上のヴァレンティーニのトレビアーノも面白いですよ。

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トゥデーリ。サルデーニアのカンノーナウ。素晴らしいの一言に尽きるワインです。

 

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先ほど登場しましたレ オルトレのメーカー。
黒オリーヴ的な香りと果実味の妙で、鹿、鴨、山鳩なんか良いと思います。
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セルピコ。10年以上寝たセルピコはヤバいです。これは99年。ホンマにヤバいです。

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サルヴァトーレ モレッティエーリのタウラージ。一番黒トリュフの香りと合うなーと思います。

 

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ちょっと高級ワインを並べすぎました。
こちら5000~6000円台のアリアニコですがまー素晴らしい。まさにワイン。食中酒。飲めば飲むほどお腹がすきます。
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こちらも5000円台のワインですが、単純なワインではありません。フルーツの香りの前に、落ち葉とか茶色いイメージの香りがします。

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10年以上寝たアリアニコはネビオロに負けない。
相当数のアリアニコ嫌いなワイン通を改宗させました。
98のカマラート。

 

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イストリア ナトゥラリス99。
お宝90年代、結構もってますよ。しかも我ながらアホみたいな良心プライス。
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こちらも5000円台のアリアニコ。しかし素晴らしい完成度。毎日飲めます。
焼そばUFOとか、サッポロ一番みたい。定番って軽く見られがちですけど、僕は最高の敬意を払います。
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仔豚のロースト。絶賛発売中。

 

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そしてガヤのバルバレスコ。お安くさせて頂いております。だってこんな素晴らしい、しかも食事と楽しめるワインが売れないのもったいない!
横の雷鳥とはすごいですよ。
ランバダをスローモーションで見ているようなエロス!
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予想以上に大好評の雷鳥。有難うございます。

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このトゥデーリ、上の仔豚とも最強に合いますし、横の雷鳥とも素晴らしい相性です。
決して濃くないこのワイン。でも完璧にこれらの料理と寄り添う姿は、僕もこんな料理を作ろうと、奮い立たせてくれます。

 

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