芦屋のイタリア料理とイタリアワインのお店

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2011年4月

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自家製シリーズ パート2 魚介加工品編

 自家製シリーズ第二弾、今日ご紹介するのは魚介の加工品です。バッカラ(塩蔵干し鱈)、ボッタルガ(イタリアのカラスミ)、ロサマリーナ(シラスの唐辛子漬)です。
どれも、基本的には塩蔵です。塩の脱水作用を利用して、腐敗の原因となる自由水を飛ばし、保存性を高める訳です。
 
 ここで、僕のイタリア料理における、他の国の料理と異なるイタリア料理らしさの定義を。
 
イタリアは、狩猟民族と思われがちですが(その性質もありますが)基本的に農耕民族です。農耕民族は地味な感じですが、その逆でいち早く定住に成功し、飢餓の不安を軽減できた文化的な民族です。
 そして、南北に長いイタリアは、地域の差も多大にありますが、かなり食材に恵まれた国です。
21世紀の現在でも、ほとんど昔ながらの土地の料理が日々の食卓に登ります。
これは、都会と地方では差がありますが、それでも日本と比べれば地方地方の個性はより明確です。
 
 このテーマで書きだすと、すごく長くなりますので今日のテーマに関連のある話からします。
よく、イタリア料理はシンプルだと言います。それは、ある意味正解です。でも、単純、簡素なんではありません。
 
シンプルの例をあげると、例えば一つの料理を作るのに、あまり食材を交ぜません。かき混ぜるの混ぜるでなく、例えばズッキーニの料理ならズッキーニが主役。玉ねぎやニンニク、ハーブを入れても3-4の食材で作ります。
ラタトゥイユにせず、ズッキーニだけで先ず美味しく食べる努力をします。ズッキーニの蒸し煮、カリフラワーのサラダ、ペペロナータ。。。それぞれの食材のポテンシャルを引き出す最低限の物しか足しません。
 
しかし、何度イタリアでズッキーニってこんなに美味しかったのか!とかパプリカってこんなに美味しかったのか!と思った事でしょう!カリフラワーしかり。
 
 では、なぜこの理論が発達したのでしょう?それは、旬の物が収穫されだすとしばらくそればっかり食べることになります。
ズッキーニの時期はまず、ズッキーニをうんざりするほど食べないと仕方なかったのです。昔は。
他の食材を交ぜてると減りませんからね。
イタリア料理は、同じものを大量に食べ続ける工夫が施されている。これが僕の定義の一つです。
 
ズッキーニの蒸し煮で例を続けると、鍋に少量のニンニク、または玉ねぎをたっぷりのオリーヴオイルで炒め、香りが出たらズッキーニを加え塩をいれ蓋をする。仕上げにバジリコを手でちぎって加える。
 
ほぼ一行でレシピが書けます。でも信じられないくらい美味しく出来ます。そこには沢山の秘密があります。まず、ズッキーニはまな板を使って切らず、鍋の上でナイフで適当に切ります。当然きった野菜の大きさはバラバラです。それでいいのです。
そうすることで、かってにに崩れる物もあれば食感の残る部分もある。
そうすると沢山のズッキーニを食べても飽きません。塩を最初に入れるのもこのためです。かってに味の濃いとこ薄いとこが出来ます。
 
そんな工夫をしてそれでも食べきれない物は、保存食にします。大体、ソットサーレ(塩蔵)、ソットーリオ(オイル漬け)、ソットアチェート(酢漬け)が基本です。
 
魚介類でも同じ事です。
色んな魚介の加工品がありますが、まず一番にあげないといけないのがバッカラ(塩だら)です。
イタリア全土でよく食べます。数か月以上持ちますので、山間部でもバッカラは食べられます。
 
意外な事に、新鮮な魚がとれるだろう港町によりたくさんのバッカラ料理のレパートリーがあります。そしてバッカラは結構高価です。
実は、イタリア産のバッカラというのはありません。ノルウェー等からの輸入です。ここ最近輸入が、始まったのではありません。大昔から北の海からわざわざ運ばれているのです。
 
そして、バッカラはキリスト教の布教にも使われています。
カトリックは本来金曜日に、肉を食べません。魚をたべます。(魚を食べるのが目的では無く、肉食べたらアカンから魚を食べます)
海から近い人は良いですが、山に住んでる人は、俺ら何食ったらええねん???となった訳です。
そこで、バッカラ登場です。実際、アヴェッリーノとか、べネベントで魚食べると言えば、ほぼバッカラと言って過言ではありません。
 
こんな文化的な食材、使わない訳に行きません。でも日本にはあまりいいバッカラは輸入されていません。
 
ほな、自分で作ろうかーとなって
 
 
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冬の鱈の時期に、馬鹿でかい鱈を買います。でかくないと良いバッカラになりません。
塩蔵の場合、生ハムにしても、バッカラにしても塩によってたんぱく質は火が入った状態に近くなります。
 小ぶりだと、火が入りすぎた状態になってしまいます。
僕の一番好きな食べ方はフリット。次に生。バッカラの生は美味しいです。そしてバッカラマンティカート。
バッカラをペーストにする料理です。
 あと、茹でてサラダもいいですし、ナポリでは軽い煮込みもよくします。
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自家製のカラスミです。去年の秋に仕込みました。以前、九州からボラの卵を送ってもらっていたのですが、他の魚も買ってくれというプレッシャーに耐えきれず、しばらく作っていませんでした。
今回は家島の物が入ったので飛びつきました。兵庫県オタクばく進中です。
 
とにかくカラスミは高い!!!そして当店にご来店の皆様はお気づきだと思いますが、半端じゃない使用量です。削る時も粉にせず荒削りですから。
自家製の場合、原料の卵も高いですが、それでも削る時の気分が少し晴れやかになります。
 
値段はさて置き、自家製の良い所は、好みの塩分と熟成具合に仕上げられるとこです。写真で見てもねっとり軟かそうでしょ?
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こちらは、毎年春にイカナゴで作る、ロサマリーナ。南の赤いキャビアというニックネームがあります。
カラブリアの食べ物なんですが、カラブリアはイタリア一の唐辛子消費地区です。この写真は、イカナゴの色をしてますが、カラブリアのは真っ赤です。豆板醤にシラスが入っている感じ。
そして、長期保存が可能です。
 
ジラソーレのは、辛さも塩分ももう少し手前です。塩からに近いですかね。イカナゴは全く日持ちがしません。
このうちのロサマリーナも1週間くらいでが限度です。でも逆に生だと3日も持たないので、一種の保存食でしょう。
 
このイカナゴのロサマリーナ、はまる方続出で、毎年3月になると沢山のお問い合わせのお電話を頂きます。嬉しい限りです。
 
と、暇さえあればなんか作り続けて、売り上げの割に仕事がやたら多いジラソーレの毎日です。
パート3に続く。

FESTA DI CIGLIEGIO 桜祭り

 今年から収穫祭シリーズをしようと思い、第1回豚祭りに続き、第2回は桜祭りと名付けて開催中です。

まず、ロゼのスプマンテ。1年でロゼワイン、ロゼスプマンテが1番美味しい時期です。桜色してますしね。
不思議と、桜色したものと相性が良いです。

食材のテーマは、貝類、桜肉(馬肉)、桜鯛(鳴門の天然真鯛)です。

貝類は、ミル貝、鬼アサリ(びっくりするくらい身がぱっつんぱっつんです)、サザエ、もう終わりですが坂越の牡蠣、鮑、なんかを取りそろえています。

ミル貝はカルパッチョで麦のサラダと(ロゼスプマンテとサイコーに合います)
鬼アサリはナポリ風ソテーで
サザエ、牡蠣、鮑はウニ、カラスミ、イカと共にパスタ(パッケリ)に

馬肉はメインでご紹介すると敬遠されますが、同じ料理をポーションをおとして前菜にすると不思議な事に大人気。
アスパラとカチョカバッロチーズを巻いてグリルにし、干しソラマメのピュレを添えています。

そして、キングオブフィッシュの真鯛。今回はお好みの調理法でという事で、炭火焼、オーヴン焼、紙包み焼き、グリル、地中海風ソテー等でお出ししています。
飲まれるワインに合わせて、毎回微調節します。また、4名様以上なら半身や、丸一匹での料理は、いかがですか?塩包み焼も人数が集まればご用意できます。

あと、ミル貝のカルパッチョもご予約時(前日まで)にリクエスト頂ければ、赤貝や鮑に変更できます。

桜はピークを過ぎましたが、食材はまだまだこれからです。皆様のご来店お待ちしております。

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