COLUMNコラム
カリフラワー
今のディナーのおまかせコースの評判にかなりの手応えを感じている中、先日とある初来店のお客様を見送る際、お肉の付け合わせのカリフラワーがめちゃくちゃ美味しかった!
と満面の笑みで仰って頂いた。
あれだけの魚介類と品数を召し上がり、食後の一番の感想が付け合わせのカリフラワー…
取り敢えず僕もバレないよう満面の苦笑いでお客様を見送ったものの
その後、これはセーフなのかアウトなのか…
長い自問自答はその後妄想へと変わり、
僕のカリフラワーへの偏愛を再自覚し、その偏愛を受け入れて頂けたという結論で、やっと眠りに就くことが出来た夜でした。
これは僕にとっての日常である、反省、または自己嫌悪から脱線する妄想によって生まれる小さなお話。
ちっとも反省してないのが良くわかります。
杉原の眠れない夜の物語
登場人物
カリフラワー
キャベツ
島中さん
僕
その他の季節の野菜たち
「カリフラワー」
~出会い~
まさに冴えない転校生の見本の様なヤツだった。
あだ名は一瞬で決まった。
色白ポッチャリ天パ。
この長すぎるニックネームはすぐに本名化することになる。
ポッチャリはミドルネームとなり、スペイン人の本名が軒並み長すぎるように色白ポッチャリ天パはクラスメートにとって長すぎる本名となった。
そして用途とシチュエーションにより、
〈おい、色白天パ!〉
《ねーねー、ポッチャリ天パ~》と言った具合に色白ポッチャリ天パからのニックネームが無限に生まれる訳だ。
クラスのみんなは軽々しく彼を好きなように呼び捨てるが、僕にはなぜか抵抗があった。
確かに色白で、ポッチャリで天パだが、その容貌とどんな呼ばれ方をしても顔色ひとつ変えない、むしろ日本語があまり通じてないのかと思わせるその空気感が、もしかしたら彼はハーフなのでは?と思う事もあり、外国製に弱いお婆ちゃん子の僕は、カリフラワーに対し多大な好奇心とほのかな憧れと、微かな甘酸っぱい対抗心を抱いていた。
~アイデンティティ~
青春時代の月日が経つのは早く、僕らの学年も就職が順次決まって来たようだ。
春野菜組の就職先の一喜一憂ぶりはそれは凄かった。
特にえんどう豆で就職先が豆ご飯に決まったやつの嬉しそうなこと。
そいつの卒業文集は、
【目標は高級料亭でご飯と同じ割合の豆ご飯になりたい】
だった。
ステキな言葉だな、と思った。
逆に泣き叫んで嫌がってたえんどう豆の就職先は、乾燥させられたのち、シュウマイの上に乗せられるらしい。
[絶対子供に残されるやんけ~、これで給食に出された日にはなんでシュウマイにはグリンピース乗ってんねんって子供らに言われるねんぞ!どんだけ居心地悪いと思ってんねん!]
と、既に夏に就職が決まっている枝豆に愚痴っていたが、枝豆は先祖代々の家業みたいな塩茹でに決まっているらしく、シュウマイの上に乗るまでのえんどう豆の加工、人の手に触れる回数に少し嫉妬していた。
(俺なんか剥かれもしない...鞘から出たと思ったらもう口の中だぜ。
おっさんに食われるのか、綺麗なお姉さんにモグモグされるのかも分からねえ…)
野菜として生まれた以上、これが究極の自分の存在価値というのを知りたい。
それはクラスのみんな同じ気持ちだと思う。
僕の究極の存在価値ってなんだろう…ウサギに食われるのは嫌だなぁ。
そんな事をボーッと考えいると、ポツンとカリフラワーがいた。
僕の自意識過剰が祟り、仲良くしたいと思いながら殆ど話したこともなかった。
僕『ねえ、ポッチ…いや、カリフラワーは就職決まったの?』
ほとんど初めての勢いで話しかけてみた。
カリ(んー、まだ。)
相変わらず単語でしか話さない。
僕『どこになりそうとか、あんの?』
カリ(んー、お父さんは茹でてマヨネーズだった。ほとんどそれらしい。おじいちゃんはフリット。僕もフリットが良いな。キャベツ君は?就職先たくさんあるらしいね?)
…?珍しい。ちゃんと会話出来るんだ…
僕 『まあね。でもお好み焼きは狙いたいよね、最低。僕の目標はロールキャベツ。なんだかロールスロイスみたいでカッコいいだろ?トンカツの横の千キャベツとか焼き鳥屋の突き出しは嫌だよなぁ。ところでフリット?!』
カリ (んー、おじいちゃんイタリア人だったんだけど、いつもクラスのヒーローで就職先もめちゃくちゃあったらしい。結婚して日本に来て息子、つまり僕のお父さんが茹でてマヨネーズだったの見て泣いたらしい。
マンマミーアって。
僕にはフリットになって欲しいみたい。
キャベツもロールキャベツより上目指したら?)
僕『上って?』
カリ(僕のおじいちゃんが見たキャベツで一番凄かったのはパスタだったって言ってた。アンチョビ風味なんだって。リゾットはもっと凄いらしいけど、作れる人があまりいないみたい。ほら、僕たち親戚でしょ?でもおじいちゃんはいつもキャベツ家の事、ちょっとだけバカにしてたけど、パスタとリゾットのキャベツには時々負けるって言ってた。どうせならパスタ目指したら?)
僕 『え、僕がパスタ!?え、僕たちが親戚???え、、お前、僕を下に見てたの!!!』
色白ポッチャリ天パが、僕を下に見てた…僕の彼に対する劣等感はDNAなのか…
僕『でも、でもな、キャベツがカリフラワーの格下って何の根拠なん?お前のじいちゃんが勝手に言うてるだけやろ?去年一年、一回もカリフラワー食べてない日本人多分めっちゃいんで!しかも親戚ってなんやねん?てか、お前クオーター?!』
カリ (ホンマに知らんの?キャベツはイタリア語でカーヴォロ、僕、カリフラワーはカヴォルフィオーレ。お花のキャベツやで。うちの家はおじいちゃんの代で日本来たけどキャベツも元々はヨーロッパ、今の形になったのイタリアやろ?聞いたことない?)
おばあちゃんが昔から自分は外国の高貴な血筋なの、みたいなんよう言うてて、てっきり敗戦国特有の欧米コンプレックスかと思ってたけど、半分ホンマやってんな…
その事をおばあちゃんに確認したくて堪らなくなり、キャベツは家路を急いだ。
僕 『おばあちゃん、おばーちゃん!ちょっと聞きたいねんけどカリフラワーって親戚なん?』
婆 (カリフラワーさん?素敵な方ね。そうね、ご親戚よ。)
すっかり水分が抜け、所々黄色くなっているが幸い頭はしっかりしている。
婆 (あの方のヨーロッパでのお立場は、いくら親戚といえども気軽にお声掛けが出来るもんじゃない、本当に高貴な方よ。
あの方は、ああ見えて私たちの様に生食もいけるの。
それは上品で歯ごたえの楽しいサラダにおなりだわ。
でもあの方1番のお力は火が入った時。
それも茹でたりせず、揚げたり、焼いたり、蒸し焼きにした時のあの方の香りは街中に広がるわ。あの真っ白なお身体のどこにそんな香りが秘められてるのやら。)
婆 (でもね、私達だって伊達に親戚な訳じゃないのよ。あなたのおじいちゃんね、イタリアでパスタになったの。会った事もないおじいちゃんのお話をすべきか分からず黙っていたけど、あなたのおじいちゃんは伝説のキャベツなのよ。)
…僕のおじいちゃんが、伝説のキャベツ…
まだまだ2、3枚脱ぎ捨てりゃ、私だって現役よ、ホホホが口癖だが、2週間毎におばあちゃんは小さくなっている。
もう、そんなに沢山の時間は残されてないんだろう。
なんとかおばあちゃんに、僕がパスタになったところ見せたい…どうすれば良いんだ?
~旅立ち~
パスタになりたいという抑えきれない衝動がキャベツに生まれたが、就職先は自分で選べない。
目の前が一瞬開けた気がしたが、もしパスタになれなかったら…と思うと暗澹とした気持ちになる。
夢を持つという事は残酷だ。
夢を持つという事には恐怖が付きまとう。
そして夢を持つ者には理不尽という試練が付きまとう。
今や、自分がお好み焼きになって鉄板の上で焼かれてる姿は想像したくない。
希望と不安で震えながら登校していると、
(キャベツぅ~、キャベツぅ~)と後ろから慌てた感じでカリフラワーがゆっくり歩いて来た。
僕 『おはよう、どうしたんだい?そんな慌てたフリして?』
カリ (僕たちの就職先が分かった!僕たち同じ就職先だよ!担任の島中先生の伝票がチラッと見えたんだ。芦屋のイタリアンのお店で、オステリア オ ジラソーレってことらしい!
スゲーよ、2人とも夢が叶うかも‼︎)
僕 『イタリアンって事はパスタ!?俺も伝説のキャベツになれるかも知れないのか?クッソ~やったんぞ~‼︎』
案外、死刑執行はこの様に淡々と進められるのだろうなぁ、と自然に頭によぎったのは、寂しさと不安と覚悟のバランスが良かったのだろう。
日常のすぐ横の非日常。
そんな僕たちの出荷だった。
イタリアンに出荷される以上、お好み焼きはないだろう。パスタになれるチャンスが見えた分、なれなかったら凹むな。
しかし意外だったのは担任の島中先生が僕らを籠に入れる時、母親にもされた事がない位僕らを丁寧に扱ってくれた事だ。
もしパスタになる運命でなくても、精一杯の努力はしよう。
そんな穏やかな気持ちになった。
気持ちの整理が着くのを待っていてくれた様に、僕らを積んだ軽トラは出発した。
流石イタリアンに出荷される生徒達だ。
見たことのない外国人留学生もいる。
片言で自己紹介するとスカローラくん、ブロッコリー ディ ナターレくん、プンタレッラくん、フィノッキオくん(彼はどうやらオカマだ),今や親友になったカリフラワー、そしてクラスでいつも威張ってるゴボウもいた。
いつも自己主張の塊で、俺さえ入れば俺味さ!が口癖のゴボウも今日はおとなしい。
まさかイタリアンに就職が決まるだなんて、一回も考えた事がなかったらしい。
そりゃそうだ。
そしてゴボウにも夢があったそうだ。
(筑前煮になりたかった…)
世界中の子供たちを筑前煮で魅了したかったらしい。
(俺、トマトソースで煮込まれるんかな…俺らしさ、残るかな…せめて豚汁になりたかったな。ゴメン、母ちゃん)
そう呟いてから、すっかり黙り込んでしまった。
気の毒でかける言葉も見当たらないが、僕らだってどうなるかまだ分からない。
気が付くと誰一人喋らなくなっていた。
暗く冷たい土の中の様な空気から一転、僕たちを積んだ籠は遂にジラソーレに到着した。
~運命~
どうやら結構忙しい時間に着いたらしい。
お店の人たちはバタバタと仕事をしているが、担任の島中先生は全く気にしてなさそうだ。
このシェフと呼ばれている人が、どうやら僕たちを料理するようだ。
忙しそうに仕事をして、少しぶっきらぼうに見えるがかなりの男前だ。
そのぶっきらぼうなシェフに怯む事なく、島中先生は僕らの説明を始める。
それに対してシェフは何を作るか答えている様だ。
あの留学生達はミネストラ マリタータという特別なスープになるらしい。
僕とカリフラワーの事はまとめて、
(シェフ好みです。)の一言だった。
ぶっきらぼうなシェフの口元が
少し緩んで見えた。
最後に、
島中 (シェフ、このゴボウはまかない用です~)
え、賄い?!僕とカリフラワーとゴボウは、ハッと目が合ったが、気の毒すぎて僕とカリフラワーは視線を落とした。その直後、
シェフ[おー、美味そうなゴボウですな!今日は賄い豚汁しますわ!]
とシェフの笑顔が溢れ、チラッとゴボウを見ると、一瞬でいつもの偉そうな顔に戻っていたけど、安堵のあまり涙は止まらない様だ。
~冬の風物詩~
さすがいつも威張っているだけの事はある。
なんて良い香りなんだ。
豚と味噌の香りが主役なのは知っている。
しかしゴボウ君、君のいない豚汁はイエス キリストが出てこない新約聖書と同じだよ。
そこが君の居場所だよ。
ほら、こんなにみんな美味しそうに君を食べてるじゃないか。良かったな!アーメン。
それにしてもどれだけの工程がかかるんでしょう、このスープ。
鍋、何個使った?
あんな個性の強いヤツらを別々に調理してるかと思いきや、最後合体ですか…
この香り…嗅いだ事あるような、初めて嗅ぐような…懐かしいような、ドキドキするような…
これがミネストラ マリタータか。
言葉通じなかったけど、多分これになりたかったはずやわ、あの外人さんたち。
僕も入れて欲しいもん。
はぁ、いつ僕らの番が来るんやろ…
なあ、カリフ…あっ!
遂にカリフラワーの番が来た。
まだ何になるか分からない。
彼はずっと目を閉じている。
もはや天使にしか見えない。
パチッ、パチッ
…ん、油の匂い…
まさか、、夢が叶うんじゃねーかコンチクショウ!
髭面の男前のシェフのグローブのような手は、見かけによらず超繊細な動きでカリフラワーを2、3個房取りした。
パッと粉をつけ、真っ白な衣にカリフラワーを通し、油で揚げ始めた。
生のまま衣をつけられ、油で揚げられている。
揚げ物の香りはするが、カリフラワー由来の香りは全くしない。
これが『アイツがなりたかったアイツ』なのか…
イタリアンに来てスタッフを魅了したゴボウや、あの留学生達のオーケストラの様なスープを作るシェフがお前を揚げてんだぞ、カリフラワー!お前、こんなものなんか!その程度で俺を見下していたのか!
届くはずのない応援、いや叱咤激励を胸の中で大声で叫び続けた事約7分。
カリフラワーは油から引き上げられた。
やはり、一向に彼の香りはしない。
ただただ揚げ油の甘い匂いが厨房を満たしていた。
軽く塩を振られたカリフラワーのフリットがまな板に乗せられた。
皿じゃない。
もしかして賄いか?
そしてカリッとザクッの間の音を立てながら、カリフラワーは半分に切られ、断面に塩を塗られた。痛覚があれば発狂する痛さだろう。
その時、音と湯気に一歩遅れてカリフラワーの香りがやって来た。
いつものアイツの歩くスピードと同じだ。
…なんじゃこりゃ…
断面からこぼれ落ちる香り。
香りという以上気体なはず。。
しかしこの香りの密度は固体のそれを思わせ、色まで連想させる。
生の時の穏やかなアイツの香りは、加熱によりこんなにも増幅するのか。
しかも完全に閉ざされた衣に包まれる事により、その香りを完璧に内に抱え込んだ訳だな…
このカリフラワーを噛んで口の中で香りが広がったらどうなるんだ。
一房食べたらカリフラワー丸1個食べた気がするんじゃないか…
恐るべしカリフラワーのフリット。恐るべしジラソーレのシェフ。
親友の夢は叶ったのだ。
あっぱれカリフラワー。
あっぱれイケメンシェフ…ん?
このシェフ、揚げたてのカリフラワーを口に放り込み、“エクセレント!“と叫ぶと、残りのフリットをスタッフに食べさせて、カリフラワーの房取りの続きを始めた。
ジャーっとぶっかける様に水洗いすると、EXVオリーブオイルでニンニクと唐辛子を炒め始め、そこにパンチェッタを加え、まだまだ水浸しでクシャミしそうなカリフラワーを鍋満タンに詰め込んだ。
イタリアンパセリをパラリ。
イタリアの粗塩をパラリ。
すぐ蓋をして注意深く火加減を調節すると、カリフラワーの鍋は放ったらかしにして、パスタを練ったり、電話に出たり、なんかのピュレ作ったりと、全く手を止めない。
時々カリフラワーの鍋を揺すりに行くが、まだ一回も蓋を開けていない。
中は一体どうなってるんだ。
でもシェフが鍋を揺するたびに、音が変わってきたな。
最初はカリフラワーがゴロゴロ転がる音だったのに、今はビシャンビシャンって…
もうあのコロコロしたカリフラワーには会えない気がさっきからしている。
でもあの蓋を開けた時、僕らキャベツ家が数世紀に渡りカリフラワー家の格下に甘んじてきた理由が分かるはずだ…
皆既日食を待つ気分で蓋が開けられるのを待ち続け、ついにその時が来た。
ひっくり返した鍋蓋の上に、優しい黄色味を帯びた香りの塊の湯気がボワ~つと立ち上った。
ボッティチェッリのビーナスの誕生。
一瞬あの名画が脳裏に浮かんだ。
その名画をかき消すよう、シェフはその鍋にお湯を足し、色んな形が混ざったパスタを投入した。
アイツが成りたかったフリットは、シェフにとってはカリフラワーへのテストだった様だ。
選ばれしカリフラワーだけがたどり着く、カリフラワーの極致。
じっくりと蒸し焼きにされたカリフラワーにお湯を足し、そこでパスタを煮込む。
この単純かつ効率的な作業内で形成されるこの香り。
憎悪をDNAに組み込まれ、今この瞬間にでも隣国を殲滅してやろうと思っている戦時下の将軍も、この香りを嗅げば少なくとも、ま、明日でえーわ、となるはず。
嗅ぐ者を愛と平和で満たしてくれる香りなのだ。
友よ。
やったな!
お前の爺ちゃん、今頃パラディーソで嬉し泣きでマンマミーアって泣いてるよ。
お前がカリフラワー家の新しい伝説になるんだ。
他人事ながら嬉しくて震えが止まらない。
感動だ。
僕は今、心から感動している。
ウミガメの出産シーン以上の感動だ。
この感動は友とパスタが共に煮込まれている11分間続き、その11分間はまるで旧約聖書の創世記と出エジプト記そのものだった。
続く…かも笑
季節限定カンノーロ第二弾!
皆さまこんにちは〜!
パティシエ藤本です!
ご好評頂いた、あの!和カンノーロに続き、こちらの季節限定カンノーロが完成しました〜!!
じゃん!!
はい!
今回は苺のカンノーロ!
ベースはしっかりリコッタチーズ
たっぷりのいちごと自家製のリコッタチーズとイタリア産のリコッタチーズを合わせてチーズの風味もしっかり感じる、これまたリッチなクリームです
ところどころに仕込んだ自家製いちごジャムもいいアクセントになっています
パッケージもバレンタイン✖️苺に合わせてピンク色とレース柄のリボンを使用。
ギフトにもピッタリ
前回同様、テイクアウト限定、
出来たてを急速冷凍させた冷凍状態でのお渡しになります。
ギフト箱もご用意しておりますが、もちろん1本からお買い求めいただけますよ!
前回も食べ比べしたいと和カンノーロと普通のカンノーロ、両方お買い上げいただくことの方が多かったです
ご希望のお客様はお越しいただくまでに一度お問い合わせいただくことをオススメします。
特にギフト箱をご希望のお客様はご来店いただいてからご注文頂くと大変お待たせしてしまう可能性がございます。
一ヶ月だけの期間限定商品(たぶん)、テイクアウト限定商品です!
興味のある方は是非一度お問い合わせを!!
連休中もWEB予約は、受付致しております。
こんにちは。
いつも、ありがとうございます。
先日、お知らせいたしました通り、
20日(月)、21日(火)は連休をいただいております。
尚、連休中のご予約に関しましては
WEB予約は受付致しております。
お手数をお掛け致しますが、こちらの予約フォームからお願い致します。
https://select-type.com/rsv/?id=VgTS69lQvVg&c_id=66965&w_flg=1
コースメニュー変更と、連休のご案内です。
こんにちは!
2020年の営業がスタートして、あっという間に半月と少しが過ぎました。
私、ソムリエ湯浅も勤務して1年経ちました。
ご挨拶させていただきました皆様ありがとうございます。
昨年だけで、初来店のお客様も何度も何度もリピートしてくださる姿を見て、
本当に嬉しいなと感じました。
特に、年末から年始にかけてのリピートしてご来店していただけるお客様の回数が多くて、びっくりしました。
もちろん初来店のお客様だけでなく、17年間の長い期間、
足繁くご来店を頂いておられるお客様から聞くジラソーレの歴史のお話も貴重なお話で、
歴史を感じさせていただいております。
引き続き、精進してまいります。宜しくお願い致します。
タイトルの通り、1月20日(月)、21日(火)は連休を頂戴致します。
連休って響き、なんだか幸せです。
どうぞ、宜しくお願い致します。
そして、今月もディナーコースのお料理にドルチェ、ワインのメニューも変更致しました。
コースの内の1品、
〝ノドグロのタリアータ 温かいお米とキャベツのサラダ添え〟
このお料理は、食べれば食べるほど、お腹が空くお料理とよく言われます。
どれくらいでも食べれちゃいそうなこのお料理は、丹波焼のお皿でご提供しております
どこの窯元さんか気になる方は、どうぞお尋ねくださいませ。
そして、このお料理はフォークではなく、スプーンでお召し上がりいただくのが間違いなく1番美味しいです。
鼻孔に抜ける香りもどうぞご一緒にお楽しみくださいませ。
ペアリングでは、ピエモンテ州のグリニョリーノから造られるワインを合わせております。
テヌータ サンタ カテリーナ社 グリニョリーノ ダスティ “アルランディーノ” 2016
オープン当初からのお客様からは、
“杉原シェフが、北イタリアのワインを使うなんて~!昔じゃ考えられなかったな~”
なんてコメントをいただいております。
もちろん、カンパーニア州を代表する赤ワイン“タウラージ”は、10種類以上ございますので、
南イタリアワインが少なくなったのではないかしら?と、お思いの方、
ご安心くださいませ。
減るなんてとんでもない!どんどん増えております。笑
上記以外の、ディナーコースの詳細は、どうぞこちらのページをご覧下さいませ。
→https://www.o-girasole.com/restaurant/contents/dinner/
昨年から、メニューの構成や、ご予約のお時間等、少しの変更がございますが、
ご予約をいただきましたお客様にはよりいっそうご満足いただける内容となっております。
皆様のご予約、ご来店を楽しみにお待ち致しております。
お読みいただきまして、ありがとうございます。
ソムリエ 湯浅 美保
O'zampo!! ナポリのクリスマスからお正月まで
皆さま!遅くなりましたが、明けましておめでとうございます!
パティシエ藤本です!
本年もジラソーレをよろしくお願い致します
さて皆様、お正月はどのように過ごされましたか?
私はジラソーレで働き始めてから初の31日、元旦を連休いただき久しぶりに実家でゆっくり過ごしました。
毎年、年末オードブルを楽しみにしていただいていたジラソーレマニアの方々にはほんの少し物足りない年明けだったかもしれませんが、今年はオードブルやめようかと決定した私達も同じくらい寂しかったです。年末営業中ずっとシェフとなんだかやらなきゃいけないことを忘れているような、好きな人がいないクリスマスのような、まだ何も宿題してない夏休み終盤のような。。。そんな感じやねと呟いていました。
そのかわり、年末・年明けレストランでお食事していただいたお客様には満足して帰っていただいたのではないかなあと思っております。120%のパワーで営業できたので
実は昨年までは、いや、もう一昨年の話ですね、年末になると夜、12時1時頃ディナータイムのお客様が帰られてからオードブルの仕込みに取りかかり、3時頃家に着く。
31日のお引き渡しの日には、日が昇るまでオードブルの最終仕込みをし、一度帰宅、仮眠、また朝7時に出てきて盛り付け、包装をお渡しの時間までに終わらせてという、なかなか非人間的なハードスケジュールだったのです。
年末だけのイベントということで、私達スタッフも年に一度のお祭りという感覚でフラフラになりながらも乗り切っていたのですが、今年は人手不足ということで(今現在ランチ2種類、ディナー2種類と別にアラカルト全てシェフ杉原が一人で仕込みをしています。もちろんどのコースも作りおきのお料理なんてございません。パスタやメインだけでなく、付け合せのサラダのドレッシング、スープ、ソースなどもお客様のテーブルに置かれる少し前にほぼゼロの状態から料理し出来上がったものしかお出ししていません。)
働き方改革ではありませんが、今年はしないという選択があってもいいのではないかという結論に至りました。
その延長で昨年の後半からは前日までにご予約いただいたお客様みんなに満足して帰っていただこう!を目標にしてやってきました(現在進行形の目標です。)
何度かリピートしてくださっているお客様ならお気づきかと思いますが、ご予約の時点でわかっていれば、たとえ連日で来ていただくことがあっても両日全く同じお料理内容でお出しする事はありません。
わざわざ予約をいただいてジラソーレに遊びに来てもらう。お料理はもちろん、ジラソーレを楽しんでお帰りいただく。
このスタッフメンバーでできる最大限のことは何かと考えて決定したことです。
そのため当日にお問い合わせいただいた方を始め、何度も問い合わせ頂いたものの、どの日も予約がいっぱいでお断りしてしまった方々、なぁんかジラソーレ行きにくくなったなあ。とお思いの方もいらっしゃると思います。お断りしてしまった方々、すみません!
ですが、その分ご予約が確定し、お越しいただきました際には美味しく楽しく、ああ、また来ようかと満足していただけるよう毎日頑張っています!
・・・と随分話が長くなりましたが、今回のテーマはそう!私がナポリで感じたイタリアと日本の年末の過ごし方の違いについてお話ししようと思います
ご存知の通りイタリアはカトリックの文化ですので、クリスマスは春にあるパスクア(イースター)と同じくらいとても重要なお祝いです。
12月に入ると街はどこもイルミネーションでいっぱい!
私が働いていたレストラン"トッレ デル サラチーノ"も豪華なイルミネーションが飾られていました。
綺麗な装飾を見た初日こそ、「うわ〜すごい!綺麗〜!!」だったのですが、毎日毎日忙しいなか嫌でも目に入るので、クリスマス当日はもういいわと結局写真を撮るのを忘れていました。
ちなみにレストランに飾ったイルミネーション、年始も付けたまま、2月中旬にやっと取り外していました。
さすがイタリアですねー
これはトマトでできたツリー
日本だと12月24日の夜って恋人とデートをする日じゃないですか?ジラソーレでもその日は毎年カップルのお客様でいっぱいです。
イタリアだと24日のお昼は営業していましたが、夜はレストランは閉めていました。
みんな家族と家で過ごすんですよね。それはレストランスタッフも同じ。実家がナポリから遠く寮生活をしているコック達はシェフの家に招かれ一緒にディナーを楽しんでだりしていました。
私はパーティには参加しませんでしたが、イタリアの一般家庭では大きなツリーを用意しプレゼントの交換、小さな子供には靴下の中にプレゼントを忍ばせて隠しておき、次の日の朝子供が見つけるというサプライズを本当にするそうです。
一緒に働いていたコックのサルバトーレ君は付き合い始めの彼女になんと子犬をプレゼントしたそうです。が、その後間もなく破局、、、子犬はどうなったのでしょう
一方イタリアの大晦日はパーティパーティ!です。
大晦日のディナーはカウントダウンパーティでお客様はレストランで年越しを迎えます。(当日来られた方々はほぼ常連さんのようでした)
当時、初のイタリアでの年越しを迎える私は夜12時前に掃除が始まりこれでみんな家に帰ってクリスマスのように家族で年明けを祝うんだなあと考えていたのですが、大違い。
カウントダウンが近づくとシェフが「掃除をやめてみんなホールに出ておいで!」とみんなにスプマンテを配りました。2番手のコックはレンズ豆のスープを炊き始めます。
私が働いていたレストランは結構田舎の方だったんですが、年が明けた瞬間どこからともなく花火の音が。そうです、イタリアでは年明けを花火でこれでもかというくらい盛大にお祝いします。
そしてその場にいる人みーんなにおめでとう!おめでとう!とキスしハグして回ります。
花火の音とアゲアゲなBGMで隣の人の会話も聞こえないくらいし、もう誰に挨拶したかもわからないしレストラン内はお客様とスタッフが入り混じりぐちゃぐちゃで完全にお祭り騒ぎでした。
深夜1時頃レンズ豆のスープが出来上がり、スタッフは厨房に戻ってスープにザンポーネを入れて一緒に食べます。
レンズ豆は平たくお金の形に似ているということでお金が入ってくる縁起の良いものとして新年必ず食べるそうです。
ザンポーネは簡単に言うと豚足の詰め物のような食べ物です。
サラミのような、でも豚足のコラーゲンも感じる、好きな人は好き、苦手な人は苦手。な食べ物でした。
私は初めて食べたのですが、レンズ豆のスープに浸して一緒に食べるとなかなかGOODでしたよ。
イタリアでは豚は豊かさ(栄養価の高いことから)や多産の象徴とされていることからこれも縁起の良い食べ物として年明けに食べられるんだそうです。
写真はイメージ写真です。本当はもっとスープな感じでした。
「サアヤ!これ何て名前か知ってる!?」冗談好きなアレッシオ君が聞きました。
私「いや、初めて見た!何ていう名前?」
アレッシオ「これはイタリアではザンポーネって言うけど是非サアヤにはこの名前を覚えて欲しい!ナポリ語でこれはザンポーネじゃなくて、オ・ザンポーッ!っていうんやで!ほら!オ・ザンポーッ!!」
私「オ・ザンポー!!」
アレッシオ「いや!ちがう!もっと、こう!オゥ・ザンポーッって!」
私「オーゥ!ザンポーゥ!?」
アレッシオ「そうそう!!オゥザンポー!」
私「オ!ザンポー!
アレッシオ「オ、・ザンポーッ!」
というわけでそれ以降1ヶ月間くらいアレッシオ君と目が合うたびに"オ・ザンポー」の特訓が始まり、私の中でイタリアのお正月はオ・ザンポーでいっぱいになりました。
ちなみに他の友達に日本のクリスマスや年越しの過ごし方を説明すると、文化が違うっておもしろいねえとびっくりしていました。私も実際体験してみないとわからないことが経験できていい思い出になりました。
え?ドルチェの話は??
そうですね!すっかり忘れていました。
クリスマス期間中、パネットーネ、ストゥルッフォリ、ロッココ、モスタッチョリ、ゼッポレなど沢山クリスマスの小菓子を作ったのですが、唯一携帯に保存していたのはこれだけ。
伝統菓子ですが、味は正直なんてことない、私たちがお祝いの時に紅白饅頭をなんの思いもなく、なんでか絶対食べるものとして食べるのと同じ感じかなあと感じました。
これはクリスマス期間中のドルチェ。洋梨と生姜とキャラメルの組み合わせでした。
イタリアのレストラン1月1日から通常営業で日本のように長い正月休みというのはなく、会社などは12月24日から大晦日まで休みというところが多いようですね。
今回のコラムいかがでしたか?
デザートの話10%もありませんでしたが。たまにはこういうのもありかと
これは知る人ぞ知るあのジェンナーロ・エスポージト氏。
トッレ デル サラチーノのオーナーシェフ。
お手本見せたるわって言いながらゼッポレを揚げているところ。結構おちゃめです。