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芦屋のイタリア料理店

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僕なりの原点回帰3 師匠のスペシャリテへのオマージュ(コラム)

いつの間にかシリーズものになりました、原点回帰編パート3です。

え、じゃあ原点回帰1は何なん?と意地悪な質問が飛んできそうなので先にお答えすると、デザートのナポリ風ババです。

何となく完成を見たつもりになっていましたが、往年のジラソーレの名物料理はもっと美味しくなるのではないか?

という偽善的な自問自答から、

自分が得意料理だと思っているものから順番に自らダメ出しして、さらにレベルの底上げをするという決意をしました。

まず標的になったのがご存じナポリ風ババ。

これは気持ちいい位結果出ました。

まだ美味しくなりますよ。

お楽しみに!

 

スルメイカとジャガイモとアーティチョークもイメージ通りに作れました。

後は数をこなして完成度を徹底的に上げます。

でもあの大鍋で作る方もアラカルトでお出ししようかと思っています。

 

次の標的は、僕の師匠Torre del Saracino のシェフ、Gennaroのスペシャリテ 甲殻類と岩場の小魚とグラニャーノ産のミックスパスタのミネストラのオマージュ、瀬戸内の魚介とミックスパスタの煮込みです。

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このGennaroのスペシャリテは僕が日本に帰ってから生まれました。

ですのでどうやって作るか知りません。

でもこの料理が生まれて間もなくイタリアに行く機会があり、3回食べました。

10皿くらいのコースのパスタ2品のうちの1品がこれで、あまりに美味しくて褒めちぎったらメインの後にまさにどんぶり鉢で出てきました。

あまりに美味しかったので、もう一回食べに行きました。

簡単にいうとズッパディペッシェ(ブイヤベース)の中で色んな形のパスタを混ぜこぜで煮込んじゃった料理です。

鍋の〆で雑炊やうどんを食べる僕らからすると決して不思議なことはありませんが、イタリアではありそうでなかった。

もの凄く斬新なような、でもみんな知っている大好きな味で、しかも仕事の緻密さ、工程の複雑さはリストランテでないと作れないものです(多分)

あの時の衝撃と感動の記憶をもとに、この料理を再現したらメッチャ難しかった。

味の複雑さとコクとキレの共存が、普通に作っても全然でないんです。

食事のあと、師匠に作り方を聞けば必ず教えてくれたと思いますが、僕はその手の質問をしたことがない。

同じものが作りたいのではないから。

これを食べた僕がこんなに感動したように、誰かを同じように感動させるのが目的だからです。

作り方を聞いちゃうとその再現が目標になり、日本に帰って日本の食材で作るとき必ず壁にぶつかります。

レシピの継承でなく感動の継承。

だから働いていた時も、レシピはほとんどメモしていません。

彼から何を学んだか。

ものごとの捉え方と考え方。

これに尽きます。

これを学べば、新しい物、事に出会うたびに、それをどう理解するか、どう接するかを考えれば100通りのアイディアが浮かびます。

このアイディアのチョイスは、センスや運や経験がものをいうのでしょうが、それでも浮かんでくる100通りのアイディアが本質から大きく外れる事はなくなったので、大失敗もしません。

 

という事で、一回普通にズッパディぺッシェ的な物作って、その汁でパスタを煮込んでみましたがダメでした。

まあやっぱりなといったとこですが、2回目の試作でかなり近づきました。

師匠ならこう考えるやろなというのも想像できますし、何よりまず素直にズッパディぺシェの汁で煮込んでみて良かった。

食べてるとズッパディぺッシェで煮込んだような味と思いますが、ズッパディぺッシェに茹でたパスタ加えてもこうはなりませんし、何も考えずズッパディぺッシェの汁で煮込んでも薄まり、かつ味が濁ります。

この様に良い面、悪い面が見えたら半分成功したような物です。

良い面を残しつつ悪い面を改善すればいい。

 

そんなこんなで、味わいとしては中々の料理が出来ましたが、この2年ほどは作っていませんでした。

コースに組み込むと普通のパスタ料理よりどうしても少し多くなる。

これだけがずーっと解決できず、また悶々としていました。

量減らせばいいやん、と簡単に言われそうですが、これ以上減らすとこの料理の体をなさないとこまで少量で作っていました。

うーん。

かつ丼の最小単位のカツが何切れかという命題と同じです。

うーん。

と考えるのを辞めた2年でしたが、考えるのをやめると当然答えは出ない訳で、この機にまた悶々としてました。

まあ、閃くときは閃くもんです。

むしろ量を減らすとこに対して、実は本心はネガティブだったのかも知れません。

量を減らしつつも、同等以上の満足度と感動を与えれる結果を出さないと死刑。

というルールを自分に課せました。

やっぱりそうなると閃くもんです。

今回も自分の限界を自分で作っていたのが露呈しました。

今回の工夫は細かい沢山の項目でここで書いてもさっぱり面白くないかもしれませんが、分かりやすい一例を。

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師匠のパスタミスタは乾麺ですが、ジラソーレのパスタミスタは乾麺に手打ちを混ぜます。

そもそもボリュームを減らす工夫で始めましたが、1種類でした。

手打ち率をあげればさらにボリュームは減らせるのは直感で分かりましたが、つまり手打ちの種類も増やすことになりますね。

あーあ。

ほんま仕事減りません。

という訳で手打ち5種作ってみました。

写真じゃ分かりませんが、通常の3分の1とか4分の1のサイズです。

メッチャ小さい可愛いオレキエッテとかパッケリとかストラッシナーティとかチェカテッリとかラーガネとかタリオリーニとか。

作りながら(笑)けてきました。

上手い事いきませんように。

ちなみに乾麺も6種類位混ざってますので10,11種くらいのパスタが1皿になります。

 

やっぱり神様はいますね。

結構ドS.

上手いとこいきました。

また仕事が増えましたが、料理って楽しいなぁ。

 

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